1: 2019/05/28(火) 13:18:24.11 ID:tmMhGVhq9
フィリピン・マニラ市内を走る鉄道に「ヤマハ駅」があるのをご存知だろうか。正しくは「ヤマハモニュメント駅」で、元々あった「モニュメント駅」のネーミングライツ(命名権)をヤマハ発動機が3年契約で買い取り、2018年3月から運用しているという“正真正銘の”ヤマハ駅だ。
だが、駅付近にヤマハの拠点や工場があるわけでもなく、ましてやヤマハ製の電車が走っているわけでもない(ラッピング車両は走っているが)。なぜヤマハ駅ができたのか。そこにはフィリピンを第一の成長市場とにらむヤマハ発動機の、ダイナミックな戦略があった。
◆若者が集まるヤマハモニュメント駅
大規模な交通渋滞が問題となっているマニラ市内、特に都心部において、通勤・通学の足として活躍しているのがライトレール・トランジット・システム(LRT)だ。ヤマハモニュメント駅を通る「LRT-1線」は、マニラLRTの第一号として1984年に開業。都心部の中でもマニラ湾に近いエリアの南北およそ19kmを結ぶ。料金は15ペソ(約31円)からで、日本と同じように切符またはチャージ式のICカードで乗車することが可能だ。
LRT-1線の最北端に位置するヤマハモニュメント駅は、マニラ東エリアを環状に走るLRT-3線とのハブの役割も果たしており、小さな駅ながら1日の乗降客数は13万人(日本だと霞ヶ関や新小岩などが近い)と比較的多い。5月某日の午前中に現地を訪れたが、朝夕のラッシュ時でなくても乗降客はひっきりなし。特に目立つのが、若者の利用客だ。付近には原宿…とまでは言わないが若者が集まるストリートがあるほか、ショッピングモールや繁華街が集まるマニラ中心部へのアクセスが良いことなどがその理由だろう。
そして、このLRTの「若い利用客」に目をつけたのが、フィリピンで年間54万台の二輪車を販売(2018年実績)するヤマハだった。
◆急成長のフィリピン二輪市場
フィリピンの二輪車総需要(販売台数)は年間226万台で、世界で6位。ヤマハにとっても世界一の二輪車需要伸長率(前年比+32%)を誇る一大市場だ。さらに加速する需要を見こみ、24日にはフィリピンでの生産能力を倍増させる計画を発表したばかり。この二輪車需要の中心を担うのが、いわゆるミレニアル世代と呼ばれる20代~30代前半の若者たちというわけだ。
人口は約1億人と日本に近いが、平均年齢が23歳と圧倒的に若いフィリピン。そのエネルギー、購買力にヤマハは勝機を見る。ヤマハ・モーター・フィリピンの大杉亨社長は、「フィリピンの平均年収は1万2000ペソ(約2万5000円)。人気の『MIO』で7万1900ペソ(約15万円)だから、かなり大きな買い物だ。だが、日本車人気の高まり、ヤマハブランドの認知向上、トレンドをつかんだ商品を投入できたことなど、ポジティブなファクターの重なりもあって、ヤマハを選んでいただけている。頭金を車両価格の5~10%として、3年36回のローンを組むと、金利含め総額で倍近くになる。それでも今は、多くの若い方々にヤマハのバイクを欲しいと思っていただけている。フィリピンでの二輪車の所有率は13~14人に1台。まだまだ伸びしろはある」と語る。
フィリピンでのヤマハの主力モデルがAT車(スクーター)の『MIO』だ。フィリピンでのAT車人気の草分け的存在であり、またヤマハのシェアを34%まで引き上げた立役者でもある。フィリピンでは他のアジア諸国以上に「鮮やかな色」を好む傾向があり、ビビットなマゼンタやオレンジ、イエローなどをあえてメインカラーに据えたことも若者のハートを掴んだ。「次に買いたいブランド」を聞くと49%でヤマハがトップ(2018年)だったという。
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http://news.livedoor.com/lite/article_detail/16527738/
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