1: 2018/09/05(水) 19:43:15.36 ID:CAP_USER9
【ストックホルム=深尾幸生、シリコンバレー=白石武志】独ダイムラーは4日、高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」で電気自動車(EV)市場に本格参入する新モデルを発表した。アウディやBMWなども2019年にかけEVを一斉に投入する。欧州や中国での環境規制強化に対応するのが表向きの目的。その裏側には、お膝元の欧州市場で旗艦モデルの販売台数が米テスラの後じんを拝していることへの危機感がある。
EV専用ブランド「EQ」の第1弾となる多目的スポーツ車(SUV)「EQC」の発表の舞台に選んだのは、環境都市として知られるスウェーデンのストックホルム。発表会でディーター・ツェッチェ社長は「メルセデスの新時代の夜明けだ」と力をこめた。
ダイムラーはこれまで小型車「スマート」などでEVを販売したことはあるものの、いずれも走行距離が短く限られた用途向けだった。それに対しEQCは満充電での走行距離は450キロメートル以上。2つの電気モーターを搭載し、5.1秒で時速100キロメートルに達する加速力を持つ。
シンボルである「スリーポインテッド・スター」など外観デザインはベンツの高級感を踏襲しつつ、運転席の大型のディスプレーや「80%まで充電して」などと声で操作ができる機能など先進技術を取り入れた。
ツェッチェ社長は「完全パッケージの本当のメルセデスだ」と述べ、内燃機関を発明し、自動車産業の盟主として100年以上君臨してきたダイムラーがEVに「本気」であることを強調した。
■22年までに10車種以上投入
EQCの価格は19年春に公表するが、関係者の話をまとめると、約8万ユーロ(約1040万円)以上のテスラのSUV「モデルX」よりは安くなりそうだ。販売担当取締役のブリッタ・ゼーガー取締役は「ベンツを所有していない新しい顧客を取り込む」と話す
ダイムラーは22年までに100億ユーロ(約1兆3千億円)を投資し、10車種以上の新型EVを発売する計画を掲げる。EQCは19年夏にまず欧州で発売し、19年から20年にかけて中国や日本、米国にも投入する。EVに注力する理由は欧州や中国で厳しくなる環境規制だが、もう一つ無視できないのがテスラの存在だ。
■「S」対決で敗北
歴史的な敗北ともいっていいだろう。自動車専門誌オートモーティブニュースによると、17年の欧州市場でベンツの旗艦車種「Sクラス」(1万3359台)の販売台数がテスラの主力セダン「モデルS」(1万6132台)に初めて抜かれたのだ。
価格が900万円近いテスラのモデルSは、先進イメージを武器に欧州でも若い層を中心に支持を集めている。世界の高級車市場は長年、ベンツのSクラスやBMW「7シリーズ」などドイツ勢の牙城だった。それをテスラが崩したのだ。
ダイムラーとテスラには因縁がある。ダイムラーは2009年にテスラに約9%出資。14年には資本関係を解消したが、テスラの車両設計のベースにはベンツ流があるとされるなど「育ての親」と言っても過言ではない。
高級車市場でテスラに負けることは台数以上の意味を持つ。これまでドイツ各社は利幅の大きい上位モデルで稼いだ利益を原資に技術革新をリードし、ブランド力を高めてきた。この方程式が崩れれば、自動運転や電動化など次世代技術の開発シナリオが狂いかねない。
■アウディ、ポルシェなども続く
ドル箱の高級車市場を食われて困るのはほかのドイツ勢も同じだ。「電動化で高級車メーカーのナンバー1になる」とぶち上げたアウディは初の量産EVとなる「eトロン」を今月中旬に米サンフランシスコで発表。ポルシェも19年に初の市販EV「タイカン」を、BMWは満充電で700キロメートル走れる「i4」やSUVの「iX3」を20年に発売する。
3日、ベンツの発表に合わせるかのようにアウディがeトロンの生産をブリュッセルで始めたことを発表。さらに4日にはBMWが21年発売の次世代EV「iネクスト」の一部画像を先行公開した。新型EVのアピール合戦の様相を呈している。
■テスラ、欧州工場も
以下全文はソース先で
ダイムラーが発表した新型EV「EQC」は5.1秒で静止状態から時速100キロメートルに加速する(4日、ストックホルム)
2018/9/5 11:50
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34998810V00C18A9000000/
EV専用ブランド「EQ」の第1弾となる多目的スポーツ車(SUV)「EQC」の発表の舞台に選んだのは、環境都市として知られるスウェーデンのストックホルム。発表会でディーター・ツェッチェ社長は「メルセデスの新時代の夜明けだ」と力をこめた。
ダイムラーはこれまで小型車「スマート」などでEVを販売したことはあるものの、いずれも走行距離が短く限られた用途向けだった。それに対しEQCは満充電での走行距離は450キロメートル以上。2つの電気モーターを搭載し、5.1秒で時速100キロメートルに達する加速力を持つ。
シンボルである「スリーポインテッド・スター」など外観デザインはベンツの高級感を踏襲しつつ、運転席の大型のディスプレーや「80%まで充電して」などと声で操作ができる機能など先進技術を取り入れた。
ツェッチェ社長は「完全パッケージの本当のメルセデスだ」と述べ、内燃機関を発明し、自動車産業の盟主として100年以上君臨してきたダイムラーがEVに「本気」であることを強調した。
■22年までに10車種以上投入
EQCの価格は19年春に公表するが、関係者の話をまとめると、約8万ユーロ(約1040万円)以上のテスラのSUV「モデルX」よりは安くなりそうだ。販売担当取締役のブリッタ・ゼーガー取締役は「ベンツを所有していない新しい顧客を取り込む」と話す
ダイムラーは22年までに100億ユーロ(約1兆3千億円)を投資し、10車種以上の新型EVを発売する計画を掲げる。EQCは19年夏にまず欧州で発売し、19年から20年にかけて中国や日本、米国にも投入する。EVに注力する理由は欧州や中国で厳しくなる環境規制だが、もう一つ無視できないのがテスラの存在だ。
■「S」対決で敗北
歴史的な敗北ともいっていいだろう。自動車専門誌オートモーティブニュースによると、17年の欧州市場でベンツの旗艦車種「Sクラス」(1万3359台)の販売台数がテスラの主力セダン「モデルS」(1万6132台)に初めて抜かれたのだ。
価格が900万円近いテスラのモデルSは、先進イメージを武器に欧州でも若い層を中心に支持を集めている。世界の高級車市場は長年、ベンツのSクラスやBMW「7シリーズ」などドイツ勢の牙城だった。それをテスラが崩したのだ。
ダイムラーとテスラには因縁がある。ダイムラーは2009年にテスラに約9%出資。14年には資本関係を解消したが、テスラの車両設計のベースにはベンツ流があるとされるなど「育ての親」と言っても過言ではない。
高級車市場でテスラに負けることは台数以上の意味を持つ。これまでドイツ各社は利幅の大きい上位モデルで稼いだ利益を原資に技術革新をリードし、ブランド力を高めてきた。この方程式が崩れれば、自動運転や電動化など次世代技術の開発シナリオが狂いかねない。
■アウディ、ポルシェなども続く
ドル箱の高級車市場を食われて困るのはほかのドイツ勢も同じだ。「電動化で高級車メーカーのナンバー1になる」とぶち上げたアウディは初の量産EVとなる「eトロン」を今月中旬に米サンフランシスコで発表。ポルシェも19年に初の市販EV「タイカン」を、BMWは満充電で700キロメートル走れる「i4」やSUVの「iX3」を20年に発売する。
3日、ベンツの発表に合わせるかのようにアウディがeトロンの生産をブリュッセルで始めたことを発表。さらに4日にはBMWが21年発売の次世代EV「iネクスト」の一部画像を先行公開した。新型EVのアピール合戦の様相を呈している。
■テスラ、欧州工場も
以下全文はソース先で
ダイムラーが発表した新型EV「EQC」は5.1秒で静止状態から時速100キロメートルに加速する(4日、ストックホルム)
2018/9/5 11:50
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34998810V00C18A9000000/
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