1:ばーど ★:2019/06/05(水) 11:36:01.95 ID:aRemYJ2X9.net
日産自動車が、最高熱効率で45%に達する次世代ガソリンエンジンを開発したことが2019年6月5日までに日経 xTECHの調べで分かった。量産エンジンで、世界最高値になる可能性が高い。2020年に量産を始める。搭載車両の燃費性能を大きく高められる。
シリーズ方式のハイブリッド車(HEV)機構「e-POWER」に搭載する次世代機で達成する。2020年春ごろに発売予定のSUV(多目的スポーツ車)「エクストレイル」から採用する計画だ。
排気量は1.5L程度で、理論空燃比で燃焼する発電専用機になる。ターボチャージャーで過給するダウンサイジングエンジンになりそうだ。
現在の世界最高値とされるのが、トヨタ自動車が2017年に発売した「カムリ」に搭載するHEV用2.5Lガソリン機の41%である。ホンダが2018年に発売した「アコードハイブリッド」のガソリン機も、トヨタの熱効率に匹敵する。
一方で、マツダが2019年内に投入する新型車「3」(旧アクセラ)のガソリン機「スカイアクティブX」では43%前後に達し、トヨタやホンダを上回る公算である。日産が開発する次世代機で達成する45%は、マツダのエンジンを上回る可能性が高い。
熱効率の最高値でしのぎを削るワケ
日系自動車メーカー各社が開発するガソリン機で、熱効率の最高値を高める開発競争が激しくなっている。かねて繰り広げていたトヨタとホンダの競争に、2019年に入ってマツダが名乗りを上げ、2020年には日産まで参戦する形になる。
背景にあるのが、各社が2020年代の電動化の主役としてHEVを見据えることだ。厳しくなる環境規制への対応にHEVが欠かせないと見る。HEV用エンジンの場合、熱効率の最高値を高めることが、HEVの全動作域における効率向上につなげやすくなる。
HEVではエンジンの効率が低い領域(主に低トルク・低回転域)で、高出力モーターを代わりに使える。逆に言えば、HEVを制御するときはエンジン熱効率が最高値に達する中トルク・中回転域を積極的に活用し、それ以外はなるべくモーターに任せればいい。すると熱効率の最高値を高めることがそのまま、クルマの走行全体の効率向上につながるわけである。
一方でエンジンの動作領域すべての熱効率を高めようとすると、最高値は低くなりがちである。
45%達成の仕組み
日産が開発するシリーズ方式のHEVは、とりわけエンジン熱効率の最高値付近に限定して使いやすい。
エンジンは電池を充電するための発電機として使い、車軸に駆動トルクを伝えないためである。加速や減速時にエンジンの動作域を幅広く使ってトルクを変える必要がなくなり、最高熱効率に達するトルクと回転数に絞って運転できる。
日産が「定点運転」と呼ぶ動作域を限定したエンジンでは、熱効率を高めやすくなる。トルクや回転数を変化させるのにエネルギーを使わずに済む。日産は希薄燃焼ではなく理論空燃比の燃焼にとどめるが、熱効率の高い2000~3000rpmで常に回すことを考えている。
さらにターボを搭載して排気量を抑えるダウンサイジングすることで、発電量を高めつつ摩擦損失を減らす。ターボは、最高熱効率に達する動作域で過給効率が高くなるように設計する。
動作域を絞ることで、エンジンの補機類を簡略化できる利点もある。例えば、ウオーターポンプやオイルポンプなどを簡単にすることを想定しているようだ。
また通常のエンジンであれば最高回転数を6000rpm程度に設定するが、それも必要ない。せいぜい4000rpmにとどめる。高回転を前提にした摺動(しゅうどう)部品などを簡単にできる。
開発の進捗状況は、44%達成まで見えているようだ。2020年の量産までに残り1ポイント高められるのか、正念場を迎えている。
2019/06/05 05:00 日経 xTECH
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02294/?P=1
from 新型車情報局