1: 2018/12/25(火) 19:27:41.04 ID:CAP_USER
和製ハマーとも称されるトヨタ メガクルーザーが初めてお披露目されたのは1993年、千葉幕張メッセで開催された第30回東京モーターショーのトヨタブースでした。当時は空前のクロカン4×4ブームということもあり、究極のRV、4×4として大きな話題を集めました。自衛隊用に「高機動車」として開発された車両ゆえ、メガクルーザーは高機動車の「民生用」という位置づけになります。どのような車なのでしょうか?文・加藤久美子 写真・加藤博人
トヨタ メガクルーザーは1996年に発売
東京モーターショーに参考出品されたメガクルーザーは会場でもマスコミでも大きな話題となり、市販化への要望も強く1996年に市販が開始されました。
ベースとなったのは「高機動車」でトヨタ自動車が米国のハンヴィをモデルに開発し、陸上自衛隊普通科部隊の機動力向上のために1993年春より全国の駐屯地を中心に配備が始まりました。これを民生用(一般市販向け)に仕様変更したものが、メガクルーザーです。
同じ自衛隊でも、高機動車ほどヘビーデューティな仕様にする必要がない海上自衛隊や航空自衛隊の車両にはメガクルーザーが採用されました。
ボディは全長5,090mm×全幅2,170mm×全高2,075mm、ホイールベース3,395mmのビッグサイズで、車両重量は2,850kg。とにかく日本車離れしたサイズですが、乗って驚くのはその室内幅です。
筆者が乗った20年前の記憶を思い起こすと、助手席と運転席がものすごく離れていて、さらに席の間には巨大なトランスファーがあるので、よほど静かな場所じゃないと会話も難しいほどでした。
運転席と助手席が異常に?離れている理由
全幅2,170mmもあるのですから、室内が広いのも当然ですが、運転席と助手席が離れているのはそれ以外にも理由があります。
メガクルーザーは本来、高機動車として開発された車で、悪路走破性を上げるために最低地上高は420mmほどの高さを確保して設計されました。ランクルやパジェロなどの一般的なSUVの最低地上高は220mm前後ですから、それよりも200mm程度高いことになります。
そして、420mmの地上高を確保するために、車体下部のプロペラシャフトやデフをかなり上部に上げたことで一部が車内に入り込んでしまいました。それが理由で運転席と助手席が異常なほど離れてしまったというわけです。
高機動車の愛称は「疾風」
高機動車は73式小型トラック(三菱ジープ→1997年にパジェロベースに変更)と73式中型トラック(日野レンジャーベース)の間に位置する中型輸送車両として開発されました。配備から四半世紀が経過しましたが、今も多くの駐屯地などで活躍しています。
一個班程度の作戦行動に適しており、人員輸送のほか資材運搬などさまざまな状況で幅広く運用されています。4WSなどの採用で機動力が非常に高く、高速道路から悪路に至るまで優れた走行性能を発揮、さまざまな派生型が存在します。防衛省では略称としてHMV(ハイ・モビリティ・ビークル)と名付け、広報活動用の愛称は「疾風(はやて)」ですが、部隊内では「高機(こうき)」の通称で呼ばれているそうです。
実際、こんなに大きなボディでありながら4WSの採用により、最少回転半径は高機動車、メガクルーザーともに旋回半径(最小回転半径)はわずか5.6mと新型カムリの5.7m以下。高機動車自体は装甲していませんが、汎用性が高いので多様な武装ができることも特徴です。
93式近距離地対空誘導弾やレーダー装置の車体としても使用され、120mm迫撃砲などの牽引にも使われています。なお、乗車定員はメガクルーザーが6名のところ、高機動車は10名(前2名+後ろ8名)です。
当時としては「超高級車」価格
※写真はトヨタ広報より
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