1: 2018/09/10(月) 23:34:40.83 ID:CAP_USER9
クサギカメムシの幼虫
今年2月に日本からニュージーランド向けに輸出された新車・中古車1万台以上を積んだ貨物船からクサギカメムシが大量に見つかったことを受けて、ニュージーランドがこれらの貨物船からの荷揚げを拒否して、自動車販売業者の間で騒動となりました。ニュージーランド政府は、このカメムシがニュージーランドの農業を脅かす恐れがあるとして、現在も日本側の自動車輸出業者にカメムシの処理を徹底するよう要求しているとのことです。
■日本産カメムシのせいで日本車の輸出がストップ
このカメムシは日本に広く分布する昆虫で、ミカンやリンゴなどの実を加害する農業害虫として知られます。また悪臭を放つことから家屋内では不快害虫・衛生害虫として問題になっています。なぜ今年になってこのカメムシが貨物に大量に紛れ込むようになったのかは不明ですが、防除には相当なコストがかかるということで、輸出業者は頭を痛めているというニュースもつい最近流れました。
日本国内では外来生物といえば、日本に侵入してくる種ばかりが話題になりますが、開国以降の国際化の歴史のなかで、日本からも様々な生物が持ち出され、海外で外来生物として生態系や人間社会に深刻な影響を与えています。
■日本から旅立った外来生物たち
米国では日本固有のマメコガネというコガネムシの一種がJapanese Beetle(ジャパニーズ・ビートル)と呼ばれて恐れられています。本種は輸入物資に紛れて1900年台初頭に日本から米国に持ち込まれて定着したとされます。本種の成虫は植物の葉を加害し、幼虫は土壌中で植物の根を食べて成長します。天敵のいない米国内において急速に分布を拡大し、大豆やトウモロコシなどの農作物に深刻な被害を与える農業害虫として問題になっています。
日本で普通に空き地などに生えているクズは、古くから秋の七草に数えられ、その根をくず粉として葛餅や葛湯などの食用にもされてきた、我々日本人には馴染みのある雑草ですが、本種は米国では侵略的外来雑草として問題になっています。
1876年、米国・フィラデルフィアで開催された万国博覧会で、日本のパビリオンが飼料作物および庭園装飾用としてこのクズを展示したことを契機に、園芸植物として米国内に導入されました。その結果、クズはアメリカ国内で旺盛に繁殖して、「緑化」は成功しました。しかし、新天地でまさに水を得たクズは繁殖が止まらず、電柱や自動車、家屋まで覆い尽くすようになり、景観が変貌するとともに住民の生活にまで支障が生じるようになってしまいました。
19世紀、江戸の鎖国時代に長崎の出島に来日して博物学的研究を行ったオランダ人の植物学者フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが長崎県から欧州に持ち込んだイタドリが、今では英国で手に追えない外来雑草となっています。イタドリは地下茎で繁殖し、アスファルトやレンガさえも突き破って伸長し、建造物や道路、防波堤、下水道など社会インフラに深刻な被害が生じています。
英国政府は、この植物を根絶するためには15億ポンド(約2900億円)のコストがかかると試算しており、対策に頭を痛めています。2010年3月、英国政府はイタドリの駆除のために、天敵の「イタドリマダラキジラミ」を日本から輸入することを決めましたが、その後、その防除効果についてはまだ明らかにされていません。
日本では食用として重宝されるワカメも海外では、大変迷惑な外来生物として問題になっています。ワカメはもともと日本、朝鮮半島の近海に生息する海藻ですが、世界自然保護連合IUCNによれば、米国、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、黒海、地中海など世界中の海域で繁殖が確認されています。これだけ広くワカメが分布を拡大したのは、タンカーのバラスト水が原因だと言われています。
バラスト水とは、タンカーなどの貨物船が積荷を降ろした後に、帰路で船を安定させるため重りとして船内に取り込む海水のことを指します。日本は資源輸入大国として様々な物資を海外から輸入している分、バラスト水の輸出大国にもなっているのです。日本近海でタンカーに取り込まれた海水の中にワカメの胞子が紛れ込み、日本から世界中の海へと広がりました。
以下全文はソース先で
2018.09.10 12:20
THE PAGE
https://thepage.jp/detail/20180904-00000005-wordleaf?page=1
今年2月に日本からニュージーランド向けに輸出された新車・中古車1万台以上を積んだ貨物船からクサギカメムシが大量に見つかったことを受けて、ニュージーランドがこれらの貨物船からの荷揚げを拒否して、自動車販売業者の間で騒動となりました。ニュージーランド政府は、このカメムシがニュージーランドの農業を脅かす恐れがあるとして、現在も日本側の自動車輸出業者にカメムシの処理を徹底するよう要求しているとのことです。
■日本産カメムシのせいで日本車の輸出がストップ
このカメムシは日本に広く分布する昆虫で、ミカンやリンゴなどの実を加害する農業害虫として知られます。また悪臭を放つことから家屋内では不快害虫・衛生害虫として問題になっています。なぜ今年になってこのカメムシが貨物に大量に紛れ込むようになったのかは不明ですが、防除には相当なコストがかかるということで、輸出業者は頭を痛めているというニュースもつい最近流れました。
日本国内では外来生物といえば、日本に侵入してくる種ばかりが話題になりますが、開国以降の国際化の歴史のなかで、日本からも様々な生物が持ち出され、海外で外来生物として生態系や人間社会に深刻な影響を与えています。
■日本から旅立った外来生物たち
米国では日本固有のマメコガネというコガネムシの一種がJapanese Beetle(ジャパニーズ・ビートル)と呼ばれて恐れられています。本種は輸入物資に紛れて1900年台初頭に日本から米国に持ち込まれて定着したとされます。本種の成虫は植物の葉を加害し、幼虫は土壌中で植物の根を食べて成長します。天敵のいない米国内において急速に分布を拡大し、大豆やトウモロコシなどの農作物に深刻な被害を与える農業害虫として問題になっています。
日本で普通に空き地などに生えているクズは、古くから秋の七草に数えられ、その根をくず粉として葛餅や葛湯などの食用にもされてきた、我々日本人には馴染みのある雑草ですが、本種は米国では侵略的外来雑草として問題になっています。
1876年、米国・フィラデルフィアで開催された万国博覧会で、日本のパビリオンが飼料作物および庭園装飾用としてこのクズを展示したことを契機に、園芸植物として米国内に導入されました。その結果、クズはアメリカ国内で旺盛に繁殖して、「緑化」は成功しました。しかし、新天地でまさに水を得たクズは繁殖が止まらず、電柱や自動車、家屋まで覆い尽くすようになり、景観が変貌するとともに住民の生活にまで支障が生じるようになってしまいました。
19世紀、江戸の鎖国時代に長崎の出島に来日して博物学的研究を行ったオランダ人の植物学者フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが長崎県から欧州に持ち込んだイタドリが、今では英国で手に追えない外来雑草となっています。イタドリは地下茎で繁殖し、アスファルトやレンガさえも突き破って伸長し、建造物や道路、防波堤、下水道など社会インフラに深刻な被害が生じています。
英国政府は、この植物を根絶するためには15億ポンド(約2900億円)のコストがかかると試算しており、対策に頭を痛めています。2010年3月、英国政府はイタドリの駆除のために、天敵の「イタドリマダラキジラミ」を日本から輸入することを決めましたが、その後、その防除効果についてはまだ明らかにされていません。
日本では食用として重宝されるワカメも海外では、大変迷惑な外来生物として問題になっています。ワカメはもともと日本、朝鮮半島の近海に生息する海藻ですが、世界自然保護連合IUCNによれば、米国、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、黒海、地中海など世界中の海域で繁殖が確認されています。これだけ広くワカメが分布を拡大したのは、タンカーのバラスト水が原因だと言われています。
バラスト水とは、タンカーなどの貨物船が積荷を降ろした後に、帰路で船を安定させるため重りとして船内に取り込む海水のことを指します。日本は資源輸入大国として様々な物資を海外から輸入している分、バラスト水の輸出大国にもなっているのです。日本近海でタンカーに取り込まれた海水の中にワカメの胞子が紛れ込み、日本から世界中の海へと広がりました。
以下全文はソース先で
2018.09.10 12:20
THE PAGE
https://thepage.jp/detail/20180904-00000005-wordleaf?page=1
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