2018年8月6日月曜日

スズキ、日印の両輪で駆ける 4~6月の純利益31%増

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1: 2018/08/02(木) 22:14:08.87 ID:CAP_USER9

◆スズキ、日印の両輪で駆ける 4~6月の純利益31%増

スズキの業績が堅調だ。
2日発表した2018年4~6月期の連結決算は純利益が前年同期比31%増の859億円と4~6月期で過去最高となった。

事前の市場予想の平均(QUICKコンセンサス)602億円を大幅に上回った。
市場シェアが5割を超えるインドで自動車販売が伸びたうえ、国内でも軽自動車が好調だった。

日印の両輪が大幅増益をけん引した。
2030年に世界販売台数を前期実績の322万台から700万台と約2.2倍に増やす壮大な構想に向けて、快調なスタートを切った。

記者会見で長尾正彦取締役は「四輪車の世界販売は前年同期比16%増の86万台と過去最高だった」と胸を張った。
なかでもインドは同26%増の46万台と大きく伸びた。
主力車種「スイフト」は新型車が2月の発売以来、インド市場最速となる145日で10万台を達成したという。

国内も堅調で、同9%増の17万台だった。
日本「スペ―シア」、「クロスビー」など新型車が貢献した。

結果として売上高は14%増の9874億円。
営業利益は37%増の1164億円。
販売台数の伸びで原材料高、為替影響、研究開発費の増加を吸収した。

滑り出しは絶好調。
にもかかわらず、19年3月期通期は純利益が前期比5%減の2050億円の見通しを据え置いた。

その理由の1つが「研究開発を加速させるため」(長尾取締役)。
研究開発費増は200億円の減益要因になる。
電動車や自動運転など先進技術の開発がかさむ。

今後、インドでの高成長を実現するため、かつてない積極投資をする方針。
先行費用、減価償却費の負担が利益成長ペースを鈍らせる可能性がある。

6月末に静岡県浜松市で開いた定例株主総会。
鈴木修会長は、「2030年にインド市場で四輪車販売500万台を目指す」と強気の構想をぶち上げた。

インドの四輪車販売台数の市場規模が今の300万台半ばからほぼ3倍の1000万台になると想定。
同社も市場成長と同じように販売を伸ばせば、台数は前期実績比3倍の500万台に達するという見立てだ。
30年時点でその他地域や日本を含めた販売台数は200万台規模を目指し、同社全体の販売台数は700万台を目指すことになる。

インドでは現在、グジャラート州など3カ所の工場で現地車を生産している。
仮に500万台を現地生産するなら、工場は10カ所近く、自動車の販売やメカニックもさらに10万人以上の人材が必要になる。
鈴木会長は「マルチスズキ、スズキ、部品会社、販売代理店と『四位一体』で挑戦する」と意気込む。

スズキは世界販売台数を700万台にするらしい――。
市場では期待が先行し、株価は総会から約1カ月たった7月26日に上場来高値6839円を付けた。

それでもPER(株価収益率)は14倍と自動車メーカーの中では高いが、東証1部の平均(15倍台)と比べるとまだ割高感はない。
多くのアナリストの目標株価は7000円台で、8000円台もある。

焦点は壮大な「インド500万台構想」に向けた具体策だ。
「インドの工場、営業、販売、サービス人員などをどう増やすのか、それらを精査して、長期展望を描き、さらに短期をまとめることを今期やりたい」。
長尾取締役は今期中にインドの事業計画を策定する方針を明らかにした。

株式相場には「噂で買って、事実で売れ」という格言がある。
投資規模が想定より大きければ、償却負担が重荷となって利益が市場の期待ほど伸びない可能性もある。
投資家は短期的には株価の波乱リスクにも注意を払った方が良さそうだ。

日本経済新聞 2018/8/2 17:32
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33721410S8A800C1000000/?nf=1


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